2005年2月3日木曜日

なぞなぞ:「職人芸〔資格〕」は本家のドイツでは撤廃される方向にあるのに日本では逆により重視されるのはなぜ?



日経新聞で仕入れたなぞなぞ。前世紀の遺物みたいなもので、ドイツでは撤廃が促進されているが、逆に日本では急増しつつあるというものがある。なんだ?

それは「資格」。資格といえばドイツのマイスター制度が有名。でもドイツのEU加盟でこれが参入障壁になるとのEU加盟国からのクレームでドイツでは資格をどんどん撤廃する方向にある。ところが日本では逆に増えていると。以下日経記事から抜粋:
  1. ドイツのマイスター制度は伝統ある国家資格で取得には9年間はかかる。無資格だと会社経営さえ出来なかった。ところがEU加盟国が参入障壁であると噛みつき、ドイツ政府は昨年初めから53業種について開業時の資格の義務づけを撤廃。開かれた業種に人材が流入し企業数が急増している。
  2. ところが日本では資格は一向に減らない。それどころか増えている。
  3. たとえばペットの医療で、動物看護師などの民間資格数は百を超す。「民間資格の乱造で無政府状態」。業界内ではそれぞれ国家資格への「昇格」を目指している。
  4. ホームヘルパーの資格(国家資格)の厳正化が検討されており、来年度からは取得までに400−500時間の研修が義務づけられる見通し。関連業界団体は着々と新たな「壁」を築きつつある。
  5. タイなどとのFTA交渉でも資格の相互認定を日本政府は断固として拒絶。日本の資格を取ってくれとの一点張り。
  6. しかし、美容師の国家資格に向けて来日後3年かけて1000万円もの費用を使って特訓を受けている韓国人の美容師研修生がいるが、せっかく試験に合格しても法務省は外国人美容師にはビザを出さない方針。外国人に資格を求めながら、いざとなると国を閉ざす。
  7. 資格などの規制を求める声はいつも民間から出る。民間業界団体が既得権保護に動くからだ。
  8. マイクロソフトやシスコなどの米企業は自社技術の認定資格を作っているが、各国で試験を実施し世界に開かれている。だから国籍を問わずに優秀な人材が集まってくる。日本は逆に資格で市場を閉ざしている。

ホームヘルパーになるのに400時間以上の研修が必要なのかね〜。驚いた。

ちなみに散人はこの数年普通の理容店には行っていない。自分で刈るか1000円のスピード理髪店を使っている。その方がよほど自然に仕上がる。

農業や漁業などであまりに既得権者達が甘い汁を吸っているので、民間団体はみんなあの真似をするんだな〜。「壁」を作って甘い汁を守ろうというのは人間の本能みたいなものだから、厳しいチェックと牽制をしないと、日本は既得権者だらけの国になってしまう。

関係ないかも知れないけれど、原宿表参道の一等地にひときわ目立つ豪華な超近代建築がある。「日本看護協会」の本部だ。考えさせられたな。